音楽を職業にしたい。その気持ちに偽りはないとしても、果たしてそれに相応しい努力が出来ていると確信できる人はそういないのかもしれません。
どうやったら、他人に聞かれた時に「音楽を職業にするために努力してる」と胸を張って言えるようになるのでしょうか?
こんばんは、YUKISHIBAです。
先日、とあるツイートを見かけて、一瞬ハッとしかけてから「いや、うーん笑」となったことがあったので、
今回はそんなお気持ちを話す回となります。
壮大なエアリプ回とも呼びます。
音楽を職業にしようとしているわけだからもちろん朝9時から夜18時まで音楽活動してますよね? って質問すると 大体のアマチュアミュージシャンは 固まって動かなくなる。 一般社会人はもっと働いてるっつの。 — HARK STARTUP BOOST (@info_HARKsb) January 12, 2023
音楽活動への真剣さを社会人と同じ時間働いてるかどうかで評価するって、一見鋭い視点のように見えてなかなかの暴論だと思うんです。
パッと見だと手っ取り早く若者の図星を突いてイキる昭和オヤジツイートに見えます←
ただ、言わんとしてることもわかるし、言いたくなる気持ちもわかる。
音楽をやるお金欲しさにバイトに打ち込んで、打ち込み過ぎて(或いはバイトに時間も精神も使い過ぎて)いつしかバイトに打ち込んではお金で憂さ晴らしして…の繰り返しになる人なんてきっと誰も見てないところにわんさかいるはず。
本来「音楽で食っていく」努力をしていたはずが、いつの間にか「音楽で」の部分がきれいにすっぽ抜けてしまっている人。
また「好きなことをして生きる」ことと「楽して生きる」ことを混同してしまっているアマチュアミュージシャンだって山のようにいるのでしょう。
そんな体たらくで「いつかビッグになります(イキリ顔)」みたいに言われた日には、このツイートみたいなぐうの音も出ない質問の一つや二つぶつけたくなるもの。
音楽活動は「労働」ではなく「投資」
じゃあ自分はどうなんだろう?と振り返ってみました。
結論、9時から18時まで「音楽活動のために手を動かしてるか?」と聞かれたら、やれていません。
そもそも9時に起きれません(問題外)
しかし、24時間365日ほぼ全てをマリベリ・音楽のために投資してます。
なぜなら日々の食事や運動、睡眠、作業合間の休憩、SNSに滞在すること、好きな漫画やアニメを見ること、お酒を味わうこと、音楽を一旦頭から離す時間さえ、僕から言わせれば音楽のためにやっている投資だからです。
逆にこれらが音楽以外(例えば「仕事」)の為の投資になった瞬間、心身のバランスが一気に崩れてしまいます。
(僕のルールでは目標が「音楽で生活できるようになること」なので、音楽に関係ない(興味のない)ことで稼ごうとすることは音楽の為の投資にあたらない点に注意が必要です。)
投資に絶対は無いので、投資先を間違えることもあれば、思わぬ得があることもあります。
掛け金が小さすぎてせっかくの当たりが小さくなることもあります。
実際の株投資でも、一流の投資家でも何割か勝てれば良いくらいで運用しているみたいですが、音楽における投資も同じだと思っています。
「絶対勝てる逆転の一発」を求めれば求める程勝ちからは遠ざかる。
逆に、投資先を分散していれば、どこかで失敗しても別などこかで利益を得られる。
音楽活動においても同じで、音楽のことばっかりにならず、いろんな「投資先」を見つけることが大事なのでしょう。
1曲完成するまでの「所要時間」とは
僕が音楽を作っててつくづく思うのは、どこまでを「その音楽を作るためにかかった時間」に算入するべきなのかが非常に曖昧だということ。
マリベリ楽曲の特性上という問題もあるのだと思いますが、それでも僕は特に遅筆な部類で、長いものでは詞・曲の着工からMIX・マスタリング完了までに平気で2~3か月かかります。
しかし、その中で実際に詞を書いたり曲を作り進めたり、レコーディングしている時間だけを数えたら、長い場合でもせいぜい丸10~13日ぐらいなんじゃないでしょうか?(ガバガバ計算)
それが何故2~3か月もかかるかというと、制作の合間に中断が細かく何度も入るからです。
10分~数十分離れたり、長ければ数日置くこともあります。
(そもそも食事や睡眠もしてるわけだし)
その間は音楽を作ってなかったり、そもそも音楽から頭を離したりしているので、そのせいで本来数日で終わる作業を1か月以上もかけてやっていると考えれば、僕はかなりサボっていることになりますね笑
ただ、この音楽から離れている時間が音楽にとって全く意味のない時間かといわれると、そうとも限らないのです。
例えば10時間で作れる曲があったとして、10時間缶詰めになればすぐ出来るというわけにはいかなくて、
実際にはその10時間の合間にこまめに休憩やリフレッシュ、あるいはあえて他のことに意識を向ける時間が不可欠です。
人間の脳はそういう「空白」を利用して煮詰まってごちゃごちゃになった情報を整理し、パフォーマンスを維持するように出来ているのです。
事務仕事でもこまめに休憩を挟むのが大事ですよね。
けど、音楽の場合この必要な休憩がしばしばとても長くなります。
僕は曲を作ってて「この先どう展開するか…」と行き詰った時はあえてまとまった空白時間を設けます。
それこそ長ければ数日単位で。
空白時間の間は創作仲間の友人と会ったり、他の曲を進めたり、歌練習にいそしんだり、本を読んだり、運動をしたり、お酒を飲んだり…
すると何気ない時に突然「あ゛」と閃くわけです。
そうやって出来上がるものだから、結果として実際に作業している時間は10時間でも、日数換算では4~5日かかったりするわけです。
この場合、その曲が出来上がるまでの所要時間は10時間でしょうか?4~5日でしょうか?
こういうことがあるから楽曲制作は時間やお金(料金)の見積もりが難しいのです。
職業作曲家と呼ばれる人達は、きっとこういう時間を必要としない能力者か、思考のプロセスやツールが違うんでしょうね。
寝食も忘れて~ではなく、寝食も活動のうち
次に、10時間という微妙な時間ではなく24時間に変えたらどうでしょう?
24時間フルスロットルで働けば出来上がる曲。
いくらなんでも24時間ずっとアクセル全開で作業するには、手始めに人間を辞めなくてはなりません。
ただの人間風情がこんなことをしても、途中で煮詰まって、頭が働かなくなって後半でやっつけ仕事になってしまうのが関の山。
満足のいく形で完成にこぎつけるには休憩、更に睡眠や食事も不可欠といえます。
ここで、
音楽を作るのに不可欠なのだから、睡眠や食事も音楽活動の一部といってもいいのでは?
と考えたわけです。
僕が最初の方で食事や睡眠さえも「音楽の為の投資」だと言ったのは、これらの質を上げることがより良い音楽を作っていく為に重要だと考えているからです。
寝食だけではありません。人との付き合いや趣味、漫画やアニメなどの娯楽さえも、インスピレーションを得るための貴重な栄養になってくれるのです。
だから1日8時間音楽活動してるか?と言われると「そんなに作業できてないなぁ…」となるけど、
僕が24時間の中でやっているほぼ全てがマリベリを大きく育てるための投資だと、自覚をもって生きているつもりです。
自覚の持ち方一つで、中途半端な生活にも音楽漬けライフにもなるということ。
とはいえ、そんな偉ぶるのは好きではありません。
まだまだ投資初心者。
失敗を沢山するのは覚悟の上で、これからも精進していきます。
YUKISHIBA
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